なぜお盆をするのですか?

お盆はご先祖様の霊を迎えるために行う行事です。お盆を行う意味の一つは「亡くなった方の霊をお祀りすること」にあり、ご先祖様との命のつながりを確認する日となります。
 仏教ではお盆のことを「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と言い、『盂蘭盆経(うらぼんきょう)』というお経がお盆行事の元となっていますが、そこに書かれていることは、亡くなった親を供養すると同時に、僧侶を供養することです。『盂蘭盆経』では7月15日を亡くなった親への供養する日と説いています。つまり、現在の7月15日、8月15日のお盆の日取りは『盂蘭盆経』によるところが大きいということになります。
 日本でお盆の行事が初めて行われたのは606年と言いますから、聖徳太子の時代にはすでにお盆行事があったことになります。
 また、日本には元来祖霊信仰があり、お盆とお正月の時季はご先祖様の魂が返ってくる日とされていましたので、仏教が伝来する以前からご先祖様を迎える行事はあったようです。
 歌人として知られる藤原定家(ふじわらのていか)[1180年生1235年没]の日記『明月記(めいげつき)』には現在の盆提灯の一つである高灯籠がすでに使われていたと記されています。
お盆が行われる旧暦7月15日は中国では中元と呼ばれる日です。中元とは夏の贈り物「お中元」の起源ですが、中国ではこの日、自らの日常を反省し、一日中火を焚く習慣がありました。